安全性情報
2. 注意を要する有害事象とその対策
過敏症
アナフィラキシー等の重篤な過敏症があらわれた場合には、適切な処置を行ってください。
■発現状況(有害事象)
<過敏症に関連する有害事象の発現状況*1>
試験 | CPG2-PII試験 (15例) |
PR001-CLN-006試験 (149例) |
PR001-CLN-016試験 (112例)*2 |
|||
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発現時期 (中央値、範囲) |
3.5日(1~13日) | 6.6日(1~13日) | 2.7日(1~5日) | |||
有害事象(全体) 有害事象名(PT) (MedDRA/J ver.20.1) |
全Grade 例数(%) |
Grade 3以上 例数(%) |
全Grade 例数(%) |
Grade 3以上又は 重症度不明 例数(%) |
全Grade 例数(%) |
Grade 3以上又は 重症度不明 例数(%) |
過敏症 | 3(20.0) | 0(0.0) | 8(5.4) | 3(2.0) | 3(2.7) | 0(0.0) |
顔面浮腫 | 1(6.7) | 0(0.0) | 0(0.0) | 0(0.0) | 0(0.0) | 0(0.0) |
過敏症 | 1(6.7) | 0(0.0) | 1(0.7) | 0(0.0) | 0(0.0) | 0(0.0) |
ざ瘡様皮膚炎 | 1(6.7) | 0(0.0) | 0(0.0) | 0(0.0) | 0(0.0) | 0(0.0) |
接触皮膚炎 | 1(6.7) | 0(0.0) | 0(0.0) | 0(0.0) | 0(0.0) | 0(0.0) |
発疹 | 0(0.0) | 0(0.0) | 6(4.0) | 2(1.3) | 3(2.7) | 0(0.0) |
蕁麻疹 | 0(0.0) | 0(0.0) | 1(0.7) | 1(0.7) | 0(0.0) | 0(0.0) |
また、国内第Ⅱ相臨床試験のうち、OP-07-001試験(n=4)においては、過敏症の発現が認められなかった。 *2 : PR001-CLN-016試験では、試験開始から治験実施計画書の2回目の改訂までは副作用のみを収集し、2回目の改訂以降は全ての有害事象(因果関係を問わない)を収集した。
■発現状況(副作用) <過敏症に関連する副作用の発現状況*¹>
試験 | CPG2-PII試験 (15例) |
PR001-CLN-006試験 (149例) |
PR001-CLN-016試験 (275例)*2 |
|||
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発現時期 (中央値、範囲) |
4.0日(1~7日) | 1.0日(1~1日) | 3.0日(1~5日) | |||
有害事象(全体) 有害事象名(PT) (MedDRA/Jver.20.1) |
全Grade 例数(%) |
Grade 3以上 例数(%) |
全Grade 例数(%) |
Grade 3以上又は 重症度不明 例数(%) |
全Grade 例数(%) |
Grade 3以上又は 重症度不明 例数(%) |
過敏症 | 1(6.7) | 0(0.0) | 1(0.7) | 3(2.0) | 2(0.7) | 0(0.0) |
過敏症 | 1(6.7) | 0(0.0) | 1(0.7) | 0(0.0) | 0(0.0) | 0(0.0) |
発疹 | 0(0.0) | 0(0.0) | 0(0.0) | 2(1.3) | 2(0.7) | 0(0.0) |
また、国内第Ⅱ相臨床試験のうち、OP-07-001試験(n=4)においては、過敏症の発現が認められなかった。 *2 : PR001-CLN-016試験では、試験開始から治験実施計画書の2回目の改訂までは副作用のみを収集し、2回目の改訂以降は全ての有害事象(因果関係を問わない)を収集した。
■海外の製造販売後における発現状況
海外の製造販売後において、本剤との因果関係が否定されなかった重篤な過敏症は3例(中毒性表皮壊死融解症(TEN)、アナフィラキシー反応、薬剤性中毒性皮膚炎(薬疹) 各1例)に認められました。
死亡に至った過敏症は、TEN1例でした。
年齢 | 性別 | 有害事象名 | 重症度 | 発現時期 | 重篤性 | 投与回数 | 投与量 | MTXの 対象疾患 |
患者背景 | 有害事象に対する その他の処置 |
転帰 | 本剤との 因果関係 |
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① | 高齢者 | 女 | TEN | 不明 | 13日後 | 死亡 | 1回 | 不明 | 慢性 骨髄単球性 白血病 |
慢性骨髄単球性 白血病、 腎不全、粘膜炎、 不安抑うつ 症候群、 HSV感染、悪心 |
不明 | 死亡 | あり |
② | 60歳代 | 男 | アナフィラキシー反応 | Grade 4 | 3回目投与 15分後 |
その他 重篤 |
3回 | 1回目: 2000U 2回目:2000U 3回目:2000U |
中枢神経系 リンパ腫 |
中枢神経系 リンパ腫 |
酸素吸入、 ネブライザー、 アドレナリン、 ジフェンヒドラミン50mg、 ヒドロコルチゾン 100mg、 ファモチジン20mg |
軽快 | あり |
③ | 50歳代 | 男 | 薬疹 | 不明 | 約2週間後 | その他 重篤 |
1回 | 2000U (25U/kg) |
原発性 中枢神経系 リンパ腫 |
MTX毒性、 中枢神経系 リンパ腫 急性腎不全 |
局所ステロイド | 回復 | あり |
①
高齢(年齢不明)女性、慢性骨髄単球性白血病、MTX投与(用量不明)後、翌日に本剤投与、13日後にTENを発症し、20日後に死亡。
他の被疑薬として、MTX、G-CSF、バラシクロビル、エポエチンアルファ、エスシタロプラム、へパリンカルシウム、スルファメトキサゾール・トリメトプリム、リドカイン、アムホテリシン B、メロペネム、ヘキセチジン、パントプラゾール、シプロフロキサシン塩酸塩、フロセミド及びトラネキサム酸。
②60歳代男性、HD-MTX療法毎に本剤を投与していた。3回目のHD-MTX療法施行後、翌日に本剤を投与し、本剤投与から15分後に全身そう痒が発現し、さらに数分後にGrade 4のアナフィラキシー、口唇腫脹、しびれ感/チクチク感、息切れ、咳嗽、発語困難、咽喉絞扼感及び喘鳴が発現した。
アドレナリン、抗ヒスタミン剤、副腎皮質ステロイド等を投与し30分以内に軽快した。
③50歳代男性、原発性中枢神経系リンパ腫の患者。MTX8g/m2投与24時間後に急性腎障害が発現し、24時間後の血中MTX濃度が500μmol/Lを超えていた。LV 500mgを6時間毎に投与されていたが、48時間以内のMTX毒性のため、本剤25U/kgが投与された。本剤投与の前後6時間は中止し、その後LV投与を数日間継続した。さらに本剤投与24時間後から透析を3日間行った。2週間後、重篤な薬疹が発現し、局所の副腎皮質ステロイドで完全に回復し、3週間後に血清Crは正常化した。