臨床成績

国内第Ⅱ相試験(OP-07-001試験) (単群、非盲検、多施設共同試験、2020年) 承認時評価資料:国内第Ⅱ相試験(OP-07-001試験)

【目  的】
急性リンパ性白血病、骨肉腫、悪性リンパ腫等の治療において、MTX・LV救援療法時にMTXの排泄遅延が認められた患者を対象として、先行臨床試験(CPG2-PⅡ試験)の血漿中MTX濃度低下率との類似性を確認する。
【対  象】
MTX・LV救援療法の施行によりMTX排泄遅延が認められた患者4例
・ 有効性解析対象集団 :4例
・ 安全性解析対象集団 :4例
・ 薬物動態解析対象集団 :4例
【方  法】
LV投与開始後2時間以上経過していることを確認し、メグルダーゼ®50U/kgを5分間かけて静脈内投与した。
試験デザイン 表

選択基準

・本試験参加について、患者本人若しくは代諾者から文書による同意が得られている
・CPG2-PⅡ試験の選択基準を参考に設定した。
なお、MTX投与終了時から15時間以上が経過しており、施設測定による血中MTX濃度が次の基準①~④のいずれかを満たす患者が対象とされた。
① MTX投与開始22時間以降 : 50μmol/Lより高値
② MTX投与開始40時間以降 : 5μmol/Lより高値
③ MTX投与開始46時間以降 : 2μmol/Lより高値
④ MTX投与開始40時間以降 : 1μmol/Lより高値かつ急性腎障害徴候*1あり

*1 急性腎障害徴候とは、以下のいずれかを満たす
・MTX投与開始後の血清クレアチニン値が、施設における基準値の上限値より高値
・MTX投与開始後の血清クレアチニン値が、MTX投与開始前より1.5倍以上増加
・48時間以内に血清クレアチニン値が0.3mg/dL以上増加

除外基準

・ 添加剤(乳糖水和物、トロメタモール、酢酸亜鉛水和物及び塩酸)に過敏反応の既往あり。乳糖不耐症であるかどうかは問わない
・ ループ利尿薬又はマンニトールを使用しており、投与中止不可
・ 腎障害等により、血液透析又は血漿交換を行っており、中止不可
・ 静脈内投与による大量MTX投与終了後に、投与経路に関わらずMTX投与歴あり
・ メグルダーゼ®の投与歴あり
・ 重篤な心疾患あり
・ 妊婦、授乳婦、妊娠している可能性あり。若しくは観察期間中に男女共に避妊を行えない
・ その他、治験責任医師又は治験分担医師が本治験の対象として不適当と判断した

【評価項目】
主要評価項目:
メグルダーゼ®投与開始後20分の血漿中MTX濃度(中央測定)のメグルダーゼ®投与直前値からの低下率
副次評価項目:
メグルダーゼ®投与開始後2時間から96時間までの血漿中MTX濃度(中央測定)のメグルダーゼ®投与直前値からの低下率、血漿中MTX濃度の閾値(1μmol/L)まで低下する時間、CIR(Clinically important reduction)*2達成の有無、血漿中4-deoxy-4-amino-N10-methylpteroic acid(DAMPA)濃度の推移及び血中MTX濃度(施設測定及び中央測定)の推移
*2CIR:メグルダーゼ®投与開始20分後から4日後までのすべての採血時点で中央測定による血漿中MTX濃度が1μmol/L以下
【解析計画】
主要評価項目は、有効性解析対象集団を対象に、メグルダーゼ®投与開始後20分の血漿中MTX濃度(中央測定)の低下率(片側90%CIの下限)を算出した。

患者背景、安全性解析対象集団

安全性解析対象集団のベースライン時における患者背景は以下の通りであった。

項目 解析対象集団(n=4)
性別 男性 3
女性 1
診断名 急性リンパ性白血病 3
非ホジキンリンパ腫 1
薬物アレルギー なし 4
年齢中央値、歳 9.5
身長中央値、cm 127.1
体重中央値、kg 33.9
MTX排泄遅延診断時血中MTX濃度(施設内測定)、μmol/L 2.6

有効性

メグルダーゼ®投与開始後20分の血漿中MTX濃度(中央測定)のメグルダーゼ®投与直前値からの低下率【主要評価項目、有効性解析対象集団】 血漿中MTX濃度の低下率は以下の通りであり、片側90%CIの下限値は98.62%であった。

患者数
(n)
血漿中MTX濃度の平均低下率、
%(±SD)
片側90%Clの下限値
4 98.85±0.28 98.62

メグルダーゼ®投与開始後2時間から96時間までの血漿中MTX濃度(中央測定)のメグルダーゼ®投与直前値からの低下率【副次評価項目、有効性解析対象集団】 血漿中MTX濃度の低下率の推移は以下の通りであった。

投与開始後 血漿中MTX濃度の平均低下率、
%(±SD)
2時間 98.99±0.34
8時間 99.06±0.45
24時間 97.82±1.41
投与開始後 血漿中MTX濃度の平均低下率、
%(±SD)
48時間 95.91±1.13
72時間 93.67±2.05
96時間 92.34±3.83

血漿中MTX濃度(中央測定)が閾値(1μmol/L)まで低下する時間【副次評価項目、有効性解析対象集団】 投与時刻から、血漿中MTX濃度が閾値(1μmol/L)以下に低下するまでの推定時間の中央値[範囲]は、6.0[5-12]分であった。

CIR達成の有無【副次評価項目、有効性解析対象集団】 メグルダーゼ®投与後の規定されている全ての採血時点(投与開始後20分、2、8、24、48、72及び96時間)において、4例中4例でCIRを達成した。
CIR:メグルダーゼ®投与開始20分後から4日後までのすべての採血時点で中央測定による血漿中MTX濃度が1μmol/L以下

患者数
(n)
メグルダーゼ®投与後のMTX濃度の最大値
1μmol/L以下である患者数 1μmol/L超である患者数
4 4 0

安全性

有害事象 安全性解析対象集団4例中4例に計15件の有害事象が認められた。重篤な有害事象、投与中止に至った有害事象、死亡に至った有害事象は認められなかった。


主な有害事象
事象名 安全性解析対象集団(n=4)
全Grade Grade 3以上
有害事象発現例数 4 4
好中球数減少 2 2
白血球数減少 2 1
発熱 2 0
貧血 1 1
低カリウム血症 1 1
高尿酸血症 1 0
不眠症 1 0
頭痛 1 0
口唇炎 1 0
下痢 1 0
口腔障害 1 0
血小板数減少 1 0
MedDRA/J ver. 22.1、CTCAE v5.0-JCOG
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